Hungry Freaks

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オーブリー・ビアズリー

オーブリー・ビアズリー「クライマックス」(『サロメ』より)

白黒ツートーンの鋭い対比、大胆な画面構成、頽廃的・耽美的な雰囲気、流麗な曲線、過剰なまでの装飾性…。

わずか25歳でこの世を去った、イギリスの世紀末を代表する芸術家オーブリー・ビアズリーは、21世紀の現代においても、世界的に人気の高い画家のひとりです。

 

ビアズリーといえば、何といってもオスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』につけた、一連の挿絵が有名です。

というより、これらの挿絵がなければ戯曲『サロメ』は今ほど有名になっていなかったかもしれません。

実際、ワイルドも版元も、この挿絵が本来の主役を食ってしまうのではないかと恐れたようです。

「『サロメ』はワイルドとビアズリーの美学の戦いの場となった。ビアズリーはワイルドの世紀末のダンディズムがヴィクトリア朝スノビズム(俗物性)を引きずっていると嘲笑し、ヴィクトリア朝そのものに戦いを挑んだ」(海野弘『世紀末の光と闇の魔術師 オーブリー・ビアズリー』)

そんな「葛藤」が二人の間にあったことを考えると、ビアズリーの挿絵がついた『サロメ』刊行の翌年に、ワイルドが同性愛の罪(20世紀半ばまで、イギリス全土で同性愛は違法とされていました。同性愛と異性愛の扱いが完全に同等になったのは1997年のことです)で逮捕された際に、全く無関係だったビアズリーが文芸誌『イエロー・ブック』の美術主任の座を追われる破目になったのは皮肉なことです。

つまり『サロメ』の成功によって2人はまるでコンビのように見なされていたために、ビアズリーまでもがワイルドのスキャンダルの責を負わされてしまったのです。

 

ビアズリーの作品にはしばしば猥褻なモチーフのものがあります。

なかでも古代ギリシアの喜劇『女の平和』(アリストファネス作)のために描いた一連の作品は、手淫、放屁、巨大な男根など、描きたい放題です。

しかしこれらの作品はさほど陰にこもったところがなく、むしろ大らかで、ある意味においては健康的であるようにも見えます。

ビアズリーのこういった大らかな性表現に、日本の春画からの影響を指摘する人もいます。

ビアズリーは死の直前、カトリックに改宗し、自分が描いた猥褻な作品を破棄するよう知人に依頼したそうですが、その願いは(幸いにも)聞き入れられませんでした。

 

 

Hungry Freaksでは、ビアズリーの作品を素材にしたTシャツや日用品などを販売しております。

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