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ロバート・ジョンソン

「27クラブ」という言葉が、ロック好きの間でよく語られます。ご存じの方も多いかと思いますが、27歳で亡くなった有名ミュージシャンたちのことです。

ブライアン・ジョーンズジミ・ヘンドリックスジャニス・ジョプリンジム・モリスンカート・コバーンエイミー・ワインハウス…。そうそうたる名前がこのクラブのメンバー表には連なっていますが、その筆頭にしばしば挙げられるのが、ミシシッピ・デルタ・ブルースの王様、ロバート・ジョンソン(1911~1938)です。

 

私がロバート・ジョンソンを知ったのは、確かローリング・ストーンズの『レット・イット・ブリード』に収められている "Love in Vain" の作者としてだったと思います。

彼の曲を収めたアルバムをレンタルショップで借りて、最初に聴いたときの印象は「何かよくわかんないけどスゴイ!」でした。当時すでにビリー・ホリデイは聴いていましたが、彼女にも通じる「ソウル」としか呼びようのないものに触れる思いがしました。

ストーンズによる "Love in Vain" は有名ですが、他にも彼の曲のカバーには名演がたくさんあります。クリームの "Crossroads" "Four Until Late"、ローリング・ストーンズの "Stop Breaking Down"、レッド・ツェッペリンの "Traveling Riverside Blues"、マジック・サムの "Sweet Home Chicago"…。挙げればキリがありませんが、私が個人的に好きなのは、晩年のギル・スコット・ヘロンによる "Me and the Devil" です。

 

ロバート・ジョンソンといえば「クロスロード伝説」が有名です。あいつのギターがすごいのは、十字路で悪魔に魂を売って取引したからさ。そんな話がブルース好きの間で広まったといわれています。

ところで十字路で悪魔、というのは実は珍しくない話です。といっても私は日本についてしか知らないのですが、「辻神」などといって、四つ辻に魔物や妖怪が現れるという話が日本各地に伝わっています。道祖神はそういう魔物を追い払うためのものとも言われています。

また沖縄の道端でよく見かける「石敢當」(私は沖縄在住ではありませんが、うちの近所でもたまに見かけます)も、これはY字路やT字路が多いようですが、やはり辻の魔物を退散させるためのものらしいです。

アメリカにも同じような言い伝えや信仰があるのかどうかは、私にはわかりません。

「クロスロード伝説」は "Crossroads Blues" と "Me and the Devil Blues" という2つの曲名からの連想に過ぎないのかもしれません。

どちらの曲も悪魔との取引のことなど歌ってはいません。彼が歌っているのは、あまり境遇に恵まれない人が抱える閉塞感や苛立ちであり、脱出へのあこがれです。

これらは100年後を生きる私たちにもよくわかる、普遍的な感情だと思います。だからエリック・クラプトンは、ロバート・ジョンソンこそがポップ・ミュージックのルーツだと言ったのかもしれません。

 

彼が27歳で死んだ死因については毒殺説(彼の女癖の悪さは有名でした)や病死説などいろいろあるらしく、はっきりしたことはわかっていません。

ケロッグ博士』などで知られる作家T・コラゲッサン・ボイルの短編小説「おれの行く道は石だらけ、地獄の猟犬がつきまとう(Stones in My Passway, Hellhound on My Trail)」は毒殺説を元に、ロバート・ジョンソンの最期を描いています。

彼の死は特に報道もされなかったようで、その数か月後にプロデューサーのジョン・ハモンドアレサ・フランクリンボブ・ディランらを発掘した人)がカウント・ベイシーなど黒人ミュージシャンを集めたカーネギー・ホールでのコンサートを企画した際、ロバート・ジョンソンにも出てもらおうと必死に探し回って、ようやく彼の死を知ったといわれています。

 

  おれの行く道は石だらけ

  夜のように真っ黒だ。

  おれのこころは痛みだらけ

  食い気なんて消えちまった。

            "Stones in My Passway" より

(「おれの行く道は石だらけ、地獄の猟犬がつきまとう」(青山南訳『血の雨 T・コラゲッサン・ボイル傑作選』所収)より引用)

 

 

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